前回の哲遊丸にて、タチウオテンヤの面白さに気が付き、また、カラーの重要さも認識しました。
手返しを良くしようとするとテンヤも数が必要。また、カラーも多数必要となるとコストがかかります。
そこで自作、(販売)を検討しました。
その結果、そこそこ好釣果を得ることができたので、作製手法を紹介します。
マスターの作製、型取り
まず、マスターの制作です。お気に入りのテンヤがあれば、それを使えば良いと思います。が、テンヤ用のフックが手に入らないと話になりません。私ははりよしさんのXLのフックを使うことにしました。
このフックがコピーしようとしてるテンヤの形状に合うか否かは要確認です。ちなみにこのフックは挿さりも良かったのでオススメです。
私は販売も視野に入れていたので3Dプリンターでおおよその形状を造り、エポキシパテとプラサフ&研磨でマスターを仕上げることにしました。
形状のコンセプトはヘッド上面に極端にエッジをつけることで、フッキング時の水の抵抗を抑えることと、沈降時の整流効果を期待。また、エサを巻いた時に若干上向きになるようなウェイトバランスをイメージしました。
フック交換式と一体式の両方を作ってみます。一体式はフックを一緒に鋳込めばOKですが、フック交換式を作ろうと思うと、テンヤ本体に空洞(スリット)を作る必要があります。私はステンレスのプレートを使って中子とすることにしました。
フック一体型の場合は鋳込む(鋳造時に埋め込む)ので、適当に切断してマスターに埋め込みます。
マスターができたら次は型取りです。型取りは基本的にメタルジグと同じなので、詳細は別記事を参照いただければと思います。
基本は同じですが、厚肉部に湯口を持ってくるとヒケが少なくできる気がします。
鋳造
次は鋳造ですが、こちらも基本的にはメタルジグと同じです。
フックとアイをセットして、溶かした鉛を注げばOK。フック交換式の場合はステンレス板に離型処理が必要です。私はPTFEテープを使いましたが、耐熱離型剤の方がいいと思います。
ざっと鋳造しました。80号、300g分の体積なので凝固に時間がかかり、何個か凝固前に脱型してしまい、表面の肌荒れがひどいです。個人用のプロトタイプなので、そのまま使います。
次はホロ貼りと塗装です。
熱転写ホログラム
熱転写ホログラムをうまくやるためには下地処理が大事です。本当は巣をパテ埋め等するのですが、ここは個人用なので、簡単に済ませます。
まずはヤスリで大きいバリを除去し、その後、不織布ヤスリで研磨します。ダイソーの#320がオススメです。
研磨をしないと、次のプライマーがうまく塗れません。プライマーはターナーのスーパー万能密着クンの2回塗りが私の標準です。
まる1日乾燥させればOKです。プライマーが乾燥したら、熱転写ホログラムを施工していきます。こちらも基本的にはメタルジグと同じです。
ただ、80号と幅があるので、ホログラムを少し重ねて全面に転写できるように施工しました。繋ぎ目が目立つかな?と思いましたが、意外と大丈夫でした。
塗装・コーティング
続いて塗装です。こちらもメタルジグと同じですが、唯一違うのはゼブラカラー。何故かタチウオではゼブラカラーがデフォルトになっています。
ゼブラカラーにはマスキングが必要ですが、いちいちテープを貼るのは工程が重たくなるのでNG。私はスリットを入れた紙をホチキス止めすることでマスキングを行いました。
ド定番がパープルorピンクメタリックのゼブラグローとのことだったので、ピンクメタリックのパープルバックのゼブラグローを塗ってみました。といっても全体をクリアピンクで塗った後、背中側をクリアパープルで塗装するだけです。
同様にクリアオレンジの後、クリアレッドを塗れば赤金を塗ることができます。
塗れました。私は基本的にMr.カラーを使っています。
続いてマスキングです。上の画像のようにヘッド形状の大まかな型を取り、スリットのイメージを書き込みます。この時、紙を二つ折りにした状態で実施します。
このスリットを下の紙と同時にカッターで切り抜いてしまえば、左右対称にスリットを設けることができます。切り抜きが終わったらホッチキスで止めていきます。紙がたわむと多少スリットの幅が増減してしまうので、たわまないように位置決めをします。
終わりました。
あとはこの上から、ベースホワイト、グロー塗料を塗装します。私はクリア:グロー顔料:薄め液を1:1:1で混合して使っています。
塗れました。塗料を一度に吹きすぎるとマスキングの紙がふやけてしまって、グローが滲んでしまうので注意です。
コストはかかりますが、薄いプラ板とかの方がいいかもしれません。この後ある程度乾燥したら、クリアでコーティングして、アイシールを貼ったら完成です。アイシールはクリアコート前がオススメですが、諸事情で逆になってしまいました。
中々良い出来き!(フック交換タイプ)
エサ止め付け
ここまで来ればほぼ完成ですが、エサ止めがついていないので付ける必要があります。はんだ付けが一般的かもしれませんが、ここはUVレジンを使ってみることにします。
まず、足つけのためにエサ止めを付ける箇所をやすりで粗します。
そしてその後、瞬間接着剤でエサ止めを仮止めします。
ここに、糸を巻いてエサ止めを固定します。竿のガイドスレッドを巻くのとの同じ感じです。糸は裁縫用のものでOKです。
ある程度巻けたらUVレジンを塗布し、UVを照射して硬化すれば完成です。はみ出た糸はニッパーで除去しましょう。私は最後に念の為天日干しを行いました。
私はフックは剥き出しで作業しましたが、マスキングテープや熱収縮チューブ等で養生して行った方が安全ですし、針先の保護にもなるので良いと思います。
先日、このテンヤを使ってタチウオテンヤに行ってきたので釣行記を記載しましたので気になる方は読んでいただければと思います。
結果、好釣果を得ることが出来ました。
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